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November 05, 2006

黒伏、南壁”秋風ルート”を登って感じたこと

連休は明星のキャプチュードを登りに行きたかったが誰も一緒にいってくれる人がいなかったので4日だけ黒伏に行く。「あんなルート登らないほうがいいよ」と言われるくらい評判の悪い黒伏の新ルート”秋風ルート”を登ってみた。たしかに20~30年前くらいならいざ知らず現在においてボルトを前進用に打って登るナンセンスな開拓方法のルートである。クライミングの進歩とは言えないクライミングの後退と言える。中央の岩場でこんな開拓方法で登ったらかなりのバッシングを受けるだろうけど東北の片田舎の岩場だからそんなに言う人はいないだろう。
漠然としてるけどアルパインルート&ロングルートの昨今の開拓でボルトを打って良い基準はビレイ点、ナチュラルなプロテクションが取れない箇所をフリーで登るため、或いはあらゆるエイドの手法も使用できない箇所のみだろう。しかし”秋風ルート”の前進用ボルトはどれにも当てはまらない。”秋風ルート”開拓者のボルトを打った基準はいったいなんなのだろうか?山渓のクロニクルの文面から読み取ると黒伏は練習用のゲレンデだからか。だとすると黒伏のいたるところにボルトを打っても良いということなのか?。”秋風ルート”の2mくらい脇にボルトラダーのエイドルートを作っても良いということなのか?”また多くの人に登ってもらえるように”と書いてるけど本来、登山やクライミングは努力した人のみが登れるものなのにボルトを打って安易なものにするのはいかがなものだろうか。みんなが登れるように50cm間隔でボルトを打ちましょう、みんなが登れるようにここにホールドを刻みましょうなんて勘違いする人も現れかもしれない。逃げ口上の”みんなのため”なんて言葉は使わない方が良いと思う。
”秋風ルート”を登っての感想は1 以外に傾斜がないし被ったとこもない。2 古い残置ピンが結構残っていてそれを利用している。3 何箇所かナッツやカムを使用する。4 思ったより新たに打たれた前進用のボルトが少なかった。5 テンションかけながら或いはフォローで登ってみたが2P目以外はフリークライミングのグレード 5.10の範囲で登れると思う。6 仕方ないことだけど黒伏の他のルート同様、ブッシュのピッチがある。
総合的にみると良いルートだと思える。「試登ラインと古い既成ルートをつなげただけじゃないか」という人もいるかもしれないがブッシュに阻まれて上まで抜けるルートが少ない黒伏では貴重なルートかもしれない。ライン取りも素晴らしく初登者のセンスの良さも伺える。賛否両論あるかもしれないが古いルートを再生したこのようなルートがあっても良いと思う。ただ惜しむらくはなぜフリーで登ろうと努力しなかったのかである。前進用ボルトの脇には黒伏特有のポケットホールドがコケだらけで使われずにあり、今回登っていて情けなさと悲しさを感じた。全ピッチじゃなくてもなぜフリーでトライしようとしなかったのか。努力の痕跡も見えずクライミングの可能性を自ら放棄してるように感じた。Ⅴ級の箇所も登ってるからグレード的には少し頑張ればA1の箇所もフリーで登れる実力が初登者にあると思うのだけれど…。フリーで登ってたらもっと素晴らしいルートになっていたし評価も違っていたのにもったいない。ボルト打つなんて誰でもできることでたいした技術じゃない。手打ちだって電動ハンマードリルだってたいした差はない。ボルト打って登るのがアルパインクライミングだと思うなら甚だ勘違いである。”アルパインクライミングは登るために何でもあり”という言葉を誤解してはいけないと思う。対象の岩を何でもありに変化させるのではなく、登るためにクライマー自身が努力と工夫で何でもできる状態になるべきである。何の努力もせず無節操に前進用ボルトを打つようなルート開拓ならやめた方が良いと思う。ボルトに意義を持たせられるルートを作れるクライマーに開拓を任せた方が良いとおもう。
僕も悪行の数々を行ってきたので人のことを言える立場じゃないかもしれないけど、以上は苦言、提言と受け取って欲しい。できれば少しフリークライミングの練習して来春あたり初登者自身ににより”秋風ルート”をフリー化なんてことやれば現代にマッチした素晴らしいルートになると思うんだけどね。同じ東北の数少ないクライマーとして頑張って欲しいね。つまらないところで妥協しないで「東北のクライマーも頑張ってるじゃん」と思われるようなクライミングをして欲しいね。
_pict0007_3_pict0009_2
左:”秋風ルート”上部  
右:”秋風ルート”1ピッチ目


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